Bloggerの評判: WordPressとはてなとの持ち味の違い比較

以前と比べて、Blogger関連の記事への検索経由のアクセスが増えてきています。増えていると言っても、以前と比べて少し多い程度なのですが、TwitterなどでBlogger関連の話題を目にすることもあり、Bloggerへの関心が高まっているような印象を持っています。

「Blogger 評判」で検索すると、検索結果の上位は、WordPressかはてなブログで運用しているサイトのページがほとんどです。Bloggerの評判に関連しているタイトルやメリット・デメリットなどについて、はてなとの比較などがタイトルの記事が上位に表示されます。

Bloggerを使ってからはてなに移行したというような話、体験談は、両者を検討している人にとって参考になると思います。Bloggerの特長や利点なども書かれている記事も多いです。しかし、それらの記事のサイトで使用しているプラットフォームは、Bloggerではなく、WordPressやはてなブログです。記事を書いている方の多くはBloggerも使ったことがあっても、メインサイトは、WordPressやはてなで運用しているか、BloggerからはてなやWordPressに移行した方が多い印象を持ちました。

私の場合は、Bloggerをメインサイトで運用しながら、WordPressやその他のCMSによるサイトを複数運用しています。このブログは、Bloggerを使用しています。「Blogger 評判」のクエリで表示される既存のページに記載されている情報とは少し違った視点から、WordPressとはてなブログと比較した持ち味の違いなどについての考えを書きます。
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Bloggerは無料。充実した機能。

Bloggerの場合は、利用するのに費用が一切かからないという明確な特長があります。この点に関しては、ほぼ全ての既存サイトでも書かれていることです。

はてなとの比較

はてなブログやその他の日本のブログサービスは、無料で利用できますが、ブログサービス会社側で広告を掲載する形態となっています。無料のはてなブログは、はてな側からの広告掲載が必須となり、その他の機能条件がある程度、制限されます。はてなプロにアップグレードすれば、広告は非表示になりますが、月の利用料が発生します。

はてなの無料と有料の機能比較表から引用した機能特長とBloggerを比較してみます。

はてな無料プラン
  • 最大3個の複数ブログ
  • 毎月300MBまでの写真アップロード容量
  • 過去5件の編集履歴
はてなブログPro
  • 最大10個の複数ブログ
  • 毎月3GBまでの写真アップロード容量
  • 過去50件の編集履歴
  • 広告非表示
  • 独自ドメイン対応
  • スマートフォン表示にHTMLを追加
  • キーワード自動リンクオフ
  • ヘッダとフッタを非表示
  • 複数人でブログを管理
  • カテゴリー別記事一覧ページのカスタマイズ
  • AMP対応
  • 記事URLを引き継いでインポート
  • 固定ページ
Blogger
  • 運営するブログの数に特に制限はありません。(後述します)
  • 写真のアップロード容量も特に制限はありません。(具体的に後述します。)
  • 広告非表示
  • 独自ドメイン利用可能
  • レスポンシブテーマであれば、モバイル表示に制限なく自由にHTMLを編集可。
  • 記事ページについては、モバイルデスクトップ共通のため、テーマに関わらず、HTMLを自由に編集可能です。(無料ブログの場合、モバイルのページのHTML編集が禁じられていたり、制限がある場合があります。)
  • 運営側でキーワードを自動でリンクするなどの制限はありません。
  • ヘッダーやフッターの編集は自由にできます。
  • 複数で運用可能です。
  • 記事一覧ページの表示はテンプレートの仕様によりますが、カスタマイズ可能です。
  • AMPの仕様による制限が多いので、BloggerでAMP化するのは適しません。技術的には対応可能です。
  • インポート、エキスポートの機能は(もちろん)あります。
  • 固定ページも作成できます。
広告非表示、機能面などの条件では、有料のはてなブログProとBloggerはほぼ同レベルです。(機能的には、Bloggerの方がはてなブログProよりも制限はないと思いますが、ほぼ同レベルと言えます。)

WordPressとの比較

Bloggerは機能面での制限は特になく、充実していますが、さらにその上を行くのがWordPressです。WordPressでは、プラグインなどで様々な機能拡張をすることができます。AMPやPWAなど新しい機能などを取り入れて運用する場合は、WordPressが適しています。

問い合わせフォームなどもWordPressでは、プラグインを利用して様々な形式のフォームを簡単に作成することができます。プラグインを利用することによる機能拡張のサポート分野の幅広さと手軽さは、Bloggerとは比較のしようがないほどです。

WordPressの場合は、通常、レンタルサーバーを利用します。サーバーを借りて運用する形になるため、サーバー側の性能や機能などを自由に選ぶことができます。また、サーバー側の設定なども変更することができます。(HTTP レスポンスヘッダーなども設定変更できます。)Bloggerではサーバー側の設定は、Google任せになります。

WordPressでは、サーバーの機能や性能なども自由に選ぶことができ、設定も可能であることが特長の一つです。高度な設定や運用も可能となります。ただし、相応の知識、経験、スキルも必要となります。また、レンタルサーバーを利用するコストが発生します。

Bloggerの場合は、Googleの高性能なサーバーを無料で利用し、サーバーの運用や保守、管理は全てGoogleに任せる形となります。セキュリティについても同様です。サーバーの運用については、高度な知識も必要なく、全てGoogleに任せるというのがBloggerを使用する場合の条件になります。

WordPressの場合は、サーバーについても、自分で自由に設定管理できることが、Bloggerとの大きな違いとなります。ただし、サーバーを自分で運用するため、ある程度の知識は必要となります。サーバーに何か問題が発生した場合は、レンタルサーバーのサポートかサイト運営者が対応することになります。

運営可能なブログの数

利用可能なブログの数は、はてな無料プランは3、有料のProプランは10です。Bloggerは、ヘルプページには記載されていませんが一つのBloggerアカウントにつき100個のブログが運営可能と言われています。Googleアカウントは、複数作成できるため、利用可能なブログは特に制限はないに近いと言えます。

WordPressの場合は、レンタルサーバーを利用して運用するため、運営可能なブログの数は特に制限はありません。しかし、一つ一つのサイトにWordPressをインストールして運用するので現実的に運営する数は、保守・管理を考慮するとあまり多くはできないと思います。

備考:
WordPressのバージョン管理、プラグインやテーマのアップデートなどを個別にするのは、効率的ではありません。その場合は、マルチサイトと呼ばれる機能を使用します。しかし、それでも各サイトの管理画面にログインするだけでもそれなりに手間と時間がかかるので、現実的には、運営可能なサイトの数は限られると思います。

運営するサイトの種類や内容によりますが、通常は10個程度運営可能であれば、十分だと思います。BloggerとWordPressは特に制限はありませんが、一般的にははてなブログProの最大10個で必要十分と言えます。

データ容量制限

BloggerはGoogle Driveを使用しており、データ利用容量の上限は15GBとなっています。Googleは、他のGoogleプロダクトと共有して利用するものです。通常のブログ運営では、容量で問題になることはありませんが、容量が気になる場合は、Googleアカウントを分けたり、廉価で大容量を利用できるGoogle Oneのプランを利用することで対処できます。

詳しくは以下の記事をご覧下さい。

robots.txt や ads.txt の設定

robots.txtは、検索エンジンや広告クローラー等、各種ロボット(ボット、スパイダー)のサイトアクセスについての制御指示を指定するファイルです。robots.txtは、テキスト形式ファイルでサイトのルートに設置します。

特に理由がない限り、robots.txtを変更して設定する必要はありませんが、何らかの理由で設定する必要が発生することもあります。

WordPressは、サーバーの運用もサイト運営者が行うため、robots.txtを設置することができます。Bloggerではrobots.txtを設定する機能を備えています。はてなブログはProを含めてルードドメインへのファイルのアップロードはできない仕様となっているため、robots.txt の設定は現状できません。

備考:
一般的には、robots.txt が設定できなくて困ることはあまりありません。(Bloggerではできますが、)設定する人は、通常、レンタルサーバーを使います。

ads.txtは、テキストファイルをドメインのルートに設置して、広告クローラーへサイトの広告運用情報を伝達する機能です。基本的なコンセプトは、robots.txtに準じています。

ads.txtは、なりすましサイトなどによる広告収益の不正取得を防止する効果があるため、大手メディアではads.txtの利用が急速に普及しています。

現状、個人サイトではads.txtの設置は必要ありませんが、(高額の広告を中心に配信する)広告ネットワークや広告配信システムの一部では、ads.txtの設置が前提条件となる場合もあります。広告収益が多いサイトの場合は、(掲載する広告をより高収益化するために)将来的にはads.txtの設置が必要となってくる場合もあります。

ads.txtの設置は、WordPressとBloggerでは可能です。Bloggerは、アカウントの管理画面からrobots.txtとads.txtの設定ができるので、WordPress以上に設定は容易に行うことができます。はてなでは、現状、ルートにファイルをアップロードできない仕様上、ads.txtの設置はできません。

コミュニティー・ブログ仲間との出会い、付き合い

日本の無料ブログサービスは、コミュニティーを形成して利用できる機能を提供しているのが特長です。コミュニティーの育成に力を入れているサービスもあります。ブログ利用者間でのコメントのやり取りを含めた交流も簡単にできるような機能があり、利用している人も多いです。

SNSで提供される様ないいね!やフォローなどの機能も、ほとんどの日本の無料ブログは備えています。ブログサービスの利用者は、同じ様な年齢層、家庭環境、社会環境にいる人とも出会いやすいです。同じ趣味や興味の分野を持つ人のブログも簡単に見つかります。

コメントを残したり、良いねをしたり、読者になることで、相手からもしてもらう機会を得ることもできます。コミュニティーによる交流などを求める場合には、はてなは無料ブログの中でも有力な候補となります。

Bloggerにもコミュニティー機能は少しあるのですが、ほぼないに等しいです。WordPress(本体)には、コミュニティー機能はありません。

BloggerやWordPressで一からブログやサイトを始める場合は、最初は孤独になりがちです。Twitterなどを利用して、交流を得ることはできますが、その点での条件は、CMSによる選択の差は基本的にありません。はてなで仲良くなって、Twitterでも繋がって、さらに仲良くなるというようなこともあるので、はてながやはり優位だ(機会を得て、より活用できる可能性が高い)と思います。

コミュニティー機能は、直接的、間接的にアクセスアップに繋がります。コミュニティー機能なしにアクセスを獲得するのは本当に大変な労力が伴います。コミュニティー機能を利用できるのは、BloggerやWordPressと比較した場合のはてなの大きな利点です。

はてなはSEOでも強い!?

実際のところ、SEOと言うのは、基本的にはCMS(プラットフォーム)による差というのは、ないに等しいです。WordPressがSEOでBloggerよりも強いとか優位であることは、基本的にありません。逆も然りです。コンテンツが最重要です。

はてなは、ブログサービスを提供する上で、Googleの検索アルゴリズムの特性や重視する点などをとても良く研究したと認識しています。はてなブックマークと言うのは、非常に有力なリンク形成ツールで、検索でも評価される特長があります。(ありました。)

さらにはてなは、便利で魅力的なブログカードなどの豊富なブログパーツを提供しています。ブログパーツなども利用してコミュニティー間での記事の紹介なども活発に行う環境があります。お互いに記事を紹介し合うことは、オーガニックリンク(スパムなどでなく、人がお勧めする意図で作成する自然発生のリンク)の発生を促進することになります。

誤解を恐れずに申し上げると、検索エンジンのアルゴリズムの仕組みと特長を逆手に取ったところがあります。Googleの検索アルゴリズムは基本的に世界共通です。はてなブックマークのようなツールやコミュニティー内で積極的にリンクを貼り合うようなことは、基本的に日本以外では(サイト運営車の間でかなりの数で利用されている同等のツールやコミュニティーは)存在しません。

最近は以前ほど、はてなの検索での優位性は見られなくなりつつありますが、コミュニティーによるオーガニックリンク形成は、他のCMSと比べるとはてなは突出した優位性を持っています。ただし、全てのはてなブログ運営者が優位性を十分に享受できているというわけではありません。BloggerやWordPressと比較した場合に、リンクを得る機会が圧倒的に多いということです。

また、Googleの検索アルゴリズムは、リンクだけを重視しているわけではありません。検索エンジンの順位付けは200を超えるランキングシグナルを利用しています。リンクがなくても検索の上位に表示されることも珍しくはありません。

また、中長期的に検索で強いコンテンツは、オリジナル度が高く、ユーザーに役立つ情報が含まれていることが求められます。

WordPressやBloggerは、特にSEOで優位なことはなく、また、コミュニティーの力を頼ることもできないことが多いため、サイト運営者は魅力あるコンテンツ作りに注力する必要があります。一長一短はありますが、人付き合いにはあまりとらわれずにコンテンツ作りに専念できる環境にあるとも言えます。

魅力あるコンテンツを作成することに専念することは、結果的に中長期的に強いサイトを構築することに繋がる可能性も高まります。

AdSenseの利用条件について

Bloggerの場合、ホスト型AdSenseを利用できるというオプションがあります。ホスト型AdSenseと言うのは、Bloggerのホスト(blogspot.com)で運用するブログでのみAdSenseを利用できるものです。

あまり良く認知されていない、または誤解されがちなのですが、Bloggerのホスト型AdSenseを取得した場合は、blogspot.comのブログであれば、ブログ数に制限なく収益化が可能になります。(複数のBloggerブログで収益化できます。)新しいBloggerブログを立ち上げた場合に、AdSenseの申請や審査は必要ありません。

Bloggerでも独自ドメインになると、ホスト型ではなく、通常のAdSenseアカウントの取得が必要となります。blogspot.com でホスト型AdSenseで収益化していたブログでも、独自ドメインに移行した場合は、通常のAdSenseアカウントへのアップグレードが必要となります。

はてなブログで、AdSenseを取得する場合は、独自ドメインの取得が条件となります。独自ドメインを利用するためには、有料のはてなブログProを利用する必要があります。

Bloggerの場合は、独自ドメインを取得してもブログ側の利用料は発生しません。Bloggerの場合は、通常のAdSense以外にホスト型AdSenseでの収益化も可能であるという選択肢があると言えます。

独自ドメインでのAdSenseの審査において、WordPress、はてなブログ、Bloggerでの差はありません。どちらが有利、不利というものではないです。独自ドメインの取得費用に関しても、差はありません。

テンプレートや表示機能のカスタマイズについて

WordPressは、豊富なテンプレート(テーマ)が利用可能です。特に日本では、素晴らしい機能を備えたテーマが無料で利用できます。優れたデザインのテーマも有償であれば、選択肢も豊富にあります。テーマの種類、機能に関しては、WordPressが優位性が高いと思います。

カスタマイズの情報などもWordPressやはてなでは豊富に得ることができます。機能的にはBloggerは劣るところは基本的にありませんが、情報量はかなり差があるのが現状です。情報量の差は、日本での利用者の数に圧倒的な差があるので仕方がないところかと思います。

しかし、カスタマイズ機能自体が劣っているわけではないので、Bloggerが不利であるということでもありません。また、考え方を変えると、Bloggerは、カスタマイズよりもコンテンツ作成に専念しやすい環境にあるとも言えます。

異なる持ち味と相性

WordPress、はてなブログ、Bloggerは、それぞれ異なる持ち味、特長があります。何を求めるかによっても、より適した選択は変わってきます。

それぞれの持ち味、特長を理解した上で、自分にあったプラットフォームを選ぶことをおすすめ致します。本記事の情報がご参考になれば、幸いです。

私の場合は、レンタルサーバーも2つ利用しているので、BloggerをWordPressに移行しても追加コストは基本的に発生しません。しかし、Bloggerを継続して利用しています。コスト的な理由で無料であるBloggerを使っているわけではないのです。

Bloggerはコンテンツを作成するのに適したプラットフォームだと個人的に思っています。WordPressほど色々なことをすることはできないので、コンテンツ作成に注力できます。この様な部分も人によって異なるところだと思います。

以下は、実際に長年、BloggerとWordPressを利用している立場から見たBloggerの特長と利点について投稿した記事です。よろしければ、ご覧下さい。