BloggerでAMP化するための基本条件、手間、拡張性についての考察

何事にも当てはまることですが、全ての事柄は基本的に万能ではありません。それぞれ長所や短所があります。長所や短所は、確固たるものではなく、状況やその他の要因で、長所が短所になったり、逆に短所が長所になる場合もあります。

AMPの長所と短所は、サイトとの相性などによって変わってくる場合もあります。本記事では、BloggerでAMP化する上での基本条件、対応するための手間や工数、拡張性などについて紹介致します。

AMP対応する上での基本条件

WordPressの場合、基本的な知識がほとんどなくても、プラグインやテーマなどでAMP化は可能です。

プラグインを使用する場合には、表示関係の調整、広告コードの設置、構造化データの出力の設定などについては、サイト運営者の方で対応する必要があります。それらの項目もほぼサポートしているプラグインもあります。テーマの場合は、基本的な機能設定は対応できています。

Bloggerの場合は、AMP対応したテンプレート(テーマ)を使用することが有力な方法ですが、細かい部分の調整や修正などの作業が発生します。BloggerでAMP対応するためには、ある程度のレベルのHTMLやコード設定と設置などの基本的な知識が必要となります。

BloggerでAMP対応することは、簡単ではありませんが、作業を行うことで、Bloggerの機能やAMPについての知識も深まります。Blogger対応することで、スキルや経験を身につけることができる機会を得られます。

AMP化の工数について:WordPressとの比較

WordPressと比べるとBloggerは、AMP対応する手間がかなりかかります。しかし、ある程度のレベルまで基本的な設定を整えれば、その後の保守などにかかる手間はそれほどありません。

WordPressの場合は、アップデートが頻繁に行われます。新しい機能も追加されていきます。それに合わせて、テーマやプラグインもアップデートする必要があります。更新を行う際に再設定などの調整が必要になることもあります。ソフトウェアを更新したことによって、AMPでエラーが発生したりする場合もあります。

WordPressを利用しているサイトでAMP対応したものの、エラー発生の対応やその他の理由からAMP対応を止めるサイトは少なくないと認識しています。

初期の手間はBloggerの方が圧倒的に多いですが、運用を開始した後の保守管理の手間はBloggerの方が少ないです。BloggerでAMP対応できるスキルを持っているサイト運営者であれば、運用開始後にエラーなどが発生しても対処も速やかにできることが多いです。

この様なWordPressとBloggerの保守管理におけるサイト運営者にとっての手間と負荷の差異は、そのブログサイトが備える機能、表示設定や知識とスキルレベルによって、大きくなったり小さくなったりします。

AMP拡張機能の対応について

AMPは新しい技術です。Googleも力を入れて取り組んでいるプロジェクトであり、多くの開発者や人材がプロジェクトに携わっています。新しい機能も続々と追加されています。AMP公式サイトに掲載されているプロジェクトロードマップには提供を開始した機能、開発中の機能、将来追加される機能などが項目別に表示されています。

プロジェクトロードマップ をご覧頂ければ、多くの機能が開発中でさらに新たな機能も加わってくることが一見して、理解できると思います。

AMPにはコンポーネント と呼ばれる様々な拡張機能が標準で用意されています。コンポーネントを使用することで簡単に機能を追加することも可能です。WordPressのプラグインやテーマを使用してAMP化している場合は、プラグインやテーマ側でコンポーネントのサポートが行われていないと導入が難しいです。

BloggerでAMP化した場合には、コンポーネントの追加や導入をサイト運営者の方で特に制約なく自由に行うことができます。表現を変えて申し上げると、プラグインやテーマに頼らずに自分でAMP対応している部分が多いので、機能追加も柔軟にできます。
AMPコンポーネントを使用した機能の紹介などもこれから行っていく予定です。

ネイティブAMP(AMP ファースト)について

WordPressのAMP公式プラグインでは、新機能としてネイティブでAMPをサポートするモードが2018年12月に追加されました。ネイティブAMPは、AMPページがカノニカルURLとなり、モバイルだけでなくパソコンでもAMPのページが表示されます。

公式プラグインにネイティブAMPモードが追加されていますが、プラグインで機能としてサポートしていても、全てのテーマや使用している他のプラグインなどによってはネイティブ対応は難しいことが多いです。ほとんどの場合、そのままネイティブ化することはできず、対応する場合には多くの工数がかかったり、機能に制約が発生するため、実際に使用しているサイトはそれほど多くないと認識しています。

ネイティブAMPにすることが利点となるサイトもありますが、該当しない場合もあります。AMPの元来の目的はモバイルページでの高速化であり、主要な機能や開発もモバイルでの利用を前提としていることが多いです。そのため、パソコンページがAMPで表示されることに、特にメリットは得られない場合も少なくありません。

ユーザーエンゲージメントを促進する機能を搭載したり、魅力的な付加表示を行うためにJavaスクリプトを使用しているサイトも少なくありません。AMPでは、通常のJavaスクリプトは使用できないようになっている制限があります。

サイトによっては、Javaスクリプトによる機能の重要度が高い場合もあります。ネイティブではなく、モバイルの一部のページでAMPをサポートして、モバイルでの検索での流入を促進して、訪れたユーザーが通常ページも見ることでエンゲージメントを高めるようなアプローチを採用しているメディアサイトもあります。

上記の様なことを書くと、ネイティブAMPはメリットが少なく、デメリットが多いような印象を与えてしまうかもしれませんが、冒頭に述べたように長所や短所は状況やその他の要因で逆になったり、度合いも異なるものです。

例えば、ネイティブAMPで通常ページでも必要な機能を備えている場合は、AMPの持ち味を活かすことができます。AMPはページを早く表示することを考慮した仕様のため、ページの表示は大なり小なり早くなります。(ページの表示速度は、機能の使い方やページ要素、サイズに大きく依存します。)

AMPはユーザーエクスペリエンスを高めることを考慮した設計になっているため、AMPの仕様に準拠したページは、ユーザーエクスペリエンスも良好になる傾向があります。

このブログはネイティブAMPに対応しています。基本的な機能はほぼ備えていると思います。運営を続けていく中で気付いたネイティブAMPの長所や短所などもこれから紹介していく予定です。