BloggerでAMP対応する上でのメリットとデメリット、考慮すべき事柄

AMP Projectは、2015年10月7日にGoogleが発表したモバイル端末で表示されるウェブページを高速で表示する取り組みです。

AMPは、モバイル端末で高速にページを表示することを可能にするために、専用の仕様を設けています。通常のウェブページで普及しているJavaスクリプトも、AMPでは使用が認められていなど、仕様上の制限があります。

AMPに準拠したウェブページのリソース(ページ情報)は、GoogleのAMP キャッシュサーバーに格納され、モバイル端末での検索でAMPページをタップした場合、Googleのキャッシュサーバーからページを表示することでさらなる高速化を実現しています。

Accelerated Mobile Pages の名の通り、元来、モバイルページを高速に表示することを目的としていますが、パソコンページでも表示するように設定することができます。正規URLとAMP URLを分けず、AMPページを正規URL(ページ)として、パソコンとモバイルどちらでも標準でAMPを表示させる設定も可能です。

2018年12月に発表されたWordPress AMP公式プラグインは、ネイティブモードと呼ばれるAMPページをカノニカルとして統一する設定をサポートしています。


Blogger のAMP化はネイティブになる

WordPressでは、プラグインが標準ページのコンテント(記事の本文)をAMPページに変換することで、AMPに対応しています。テーマで対応する場合でも同様の作業を行います。最新のWordPress AMP化プラグインは、標準ページのレイアウトもAMP化して、AMPページを標準の正規URLとしてマークアップするネイティブモードをサポートしています。


BloggerでAMP化を行う場合は、AMP専用テンプレートで仕様を満たすページ構成にする手法が基本となります。そのため、通常ページとAMPページと言うような区分けはなく、最初から一種類のページとなります。作成されたページのレイアウト、設定、ウィジェット(ガジェット)などは予めAMP対応になっています。

作成した記事本文の中で使用している画像や一部の要素などについて、通常のHTMLの記述からAMP HTMLに変更し、ページ内の全要素がAMPに準拠するようにして対応します。そのため、BloggerでAMP化した場合には、必然的にネイティブでのAMPサポートとなります。

結果として、BloggerではWordPressでも最近サポートが始まったばかりのネイティブAMPに最初から対応できます。


AMPの長所

ユーザーエクスペリエンスの向上

AMPは良好なユーザーエクスペリエンスを提供することを念頭に置かれて設計されているのが特徴です。高速でページを表示することはユーザーの利便性を高める大きな要素ですが、AMPは高速化以外にも様々な点でユーザーの利便性を高める設計が施されています。


構造化データマークアップによるリッチな検索表示対応

Googleは、AMPページで構造化データのマークアップすることを推奨しています。推奨される構造化データを適切に設定すると、Googleの検索結果において、メディアなどを含んだ多彩でリッチな形式で表示される可能性が高まります。

メディアなどを含んだ視覚的に魅力ある結果で表示された場合、検索を行ったユーザーの目に留まりやすく、クリックされる確率が高まります。

AMP対応する場合には、構造化データも適切にマークアップすることが通例です。結果として、Googleが推奨する構造化データのマークアップにも予め対応済みとなります。BloggerでのAMP記事ページでの推奨構造化データの対応方法については、別途、記事を投稿する予定です。

現状、リッチな検索結果表示は、検索の上位(通常トップページ)で表示されることが多いです。

検索でのクリック率の向上によるアクセスアップ

モバイル端末で表示される検索結果で、AMP対応のページはAMPのアイコンが表示されます。AMPアイコン付きのページは、クリックされる率が高くなる傾向があります。そのため、AMP対応して、検索順位が変わらなくても、クリック率が上昇したことによって、サイトへの訪問数が増える可能性が高まります。



AMPの短所

仕様が厳しいため機能が限定される

AMPは仕様が厳しいため、機能などが制限されることもあります。

後者については、ウィジェットなどを使用して機能追加を行っているWordPressサイトの場合に特に該当する難点です。

サイトでどの様な機能を備えようとしているかによって、難点となることもあれば、問題ない場合もあります。基本的な機能に関しては、AMPでほぼ全て実現可能です。加えて、AMPでも様々なコンポーネントが提供されており、機能拡張することも比較的容易にできます。

AMP対応のための手間

通常ページのブログを構築するよりも、AMP対応のブログを構築するためには手間がかかります。記事の作成においても、AMPの仕様に基づく記述に変更する作業が発生します。候者に関しては、通常は若干の変更を行うことで対応できるため、それ程負担のかからないレベルではあります。


備考:
本ブログを立ち上げた目的は、AMP対応のBloggerブログが実際に運用する上でも支障なく行うことができるかを検証することを含んでいます。今後、記事を作成、投稿し、運営を続けた後、実際に運用した感想なども追記したり、記事にする予定です。
最初にブログサイトを構築する際には、設定などに通常のブログよりも多くの手間のかかる作業が発生します。これから、本ブログでAMP対応するために必要なテンプレートの選び方や設定などについて、記事を投稿していく予定です。さらに、AMP対応のBloggerブログ構築のサポートも行うこともできます。ご興味のある方は、お気軽にブロギングライフまでお問い合わせ下さい。

エラー発生時の対処

AMPは仕様が厳しいため、運営しているとエラーが発生することも少なくありません。エラーが発生した場合は、Search ConsoleのAMP レポートで内容を確認することができます。

AMPのエラーや警告が発生した際、何も対処しないで済むこともありますが、対処する必要がある時もあります。対処法も単純なもの、複雑なものもあります。対処する上では、AMPとサイト運営関連について基本的な知識が必要となります。

WordPressでは、プラグインを使うと比較的簡単にAMP対応することができますが、エラーの対処などができなかったり、負担に感じて、AMP対応を止めるサイト運営者の方も少なくないです。

Bloggerの場合、WordPress程、多機能ではないこと、テンプレートの変更や更新はあまり行われないので、WordPressに比べると、エラー発生の可能性は低いと推測します。

AMPとの相性の良し悪し

上で述べたようにAMPには長所と短所があります。これら長所と短所の度合いは、適用するサイトの種類、構成、取り扱う記事の内容などによって変わってきます。

例えば、モバイルからの検索訪問が多いサイトやモバイルで検索されることが多い記事を掲載している場合、AMP対応することによって、アクセスアップなどに直結する可能性が高くなります。逆にサイトのユーザー(訪問者)がパソコン中心の場合は、AMP化してもあまり顕著な利点を得られない可能性が高いです。

検索件数が多くサイト間の競争が激しい分野やリッチな検索結果が表示されやすいクエリを取り扱っているブログの場合、AMP対応することによって大きな成果が得られる可能性もあります。

ニッチな分野の内容を取り扱っていたり、日常の記録を日記として投稿するようなブログの場合、AMPは適していません。

AMP対応するか否かを判断する上では、AMPとの相性も考慮する必要もあります。その一方で、サイト運営では実際にやってみないと分からないこともあります。あまりAMPに適していないと思っていても、実際にAMP化してみると思った以上に効果を得られたりすることもあります。

サイト運営においては試行錯誤が伴います。本ブログを立ち上げることにしたのも、BloggerでAMP対応したブログを実際に運営して試してみることも目的に含まれています。運用する過程で分かったことで重要と思われることなどは、記事にして投稿していくことを予定しています。